平成11年度
論文賞 | 篠田 孝・高澤信司・塩島由馗 「わが国の沿岸域の歴史的、地理的条件の把握について」(論文集No.1掲載) |
沿岸域の歴史、現状を把握するための方法論を提示しており、有用かつ今後基本的に必要となる論文である。 また、大変な労作であるとともに、沿岸域の整序のあり方について、簡易かつ実用的な把握方式を確立したことは、有用性、汎用性あるものと評価される。 |
論文賞 | 敷田麻実 「エコツーリズムと日本の沿岸域におけるその可能性」(論文集No.4掲載) |
近年、環境に対する高まりとともに注目を浴びているエコツーリズムであるが、本論文はすでに6、7年前にかなり高いレベルでエコツーリズム論に言及して
いる。エコツーリズム、沿岸域、観光などの定義・発生・変遷を多くの参考文献とともに、丁寧に論述し、エコといいながらもブームに乗っているばかりでは自
然破壊に陥るという、警鐘を含めた興味深い持論を展開している。論文としての完成度も高い。 また、同人は他にも2、3論文を発表(沿岸域)しており、若年。社会科学系沿岸研究者としての将来に期待したい。 |
論文賞 | 論文賞 「東京港臨海部におけるパブリックアクセスに関する評価」(論文集No.5掲載) |
本論文ではパブリックアクセスの重要性の概念を一歩進めて、膨大な実態のデータからパブリックアクセスの状況を捉えるとともに、実態を把握するための独
自の手法までも提案している。さらに、国内では数少ない都市部のパブリックアクセスに関して、東京港臨海部を対象にパブリックアクセス整備の意義を論じて
おり、高く評価される。 また、極めて独創性が高く、論旨が明快で、会員に対し説得力があるほか、以後他の研究者にも引用されており、先駆的研究として秀でた価値を有している。 |
出版・文化賞 | 該当なし |