平成14年度
論文賞 | 該当なし |
論文奨励賞 | 末永 聡 「沿岸域の漁業における問題解決過程」(論文集No.14掲載) |
末永
聡氏は、本論を通して、沿岸域の漁業問題の解決過程における複雑な利害関係者の相互関係について、ケーススタディを通して考察し、利害関係者の協力による
問題解決モデルを提示している。このような方向性は、今後の沿岸域の問題解決過程にあたって、新規且つ重要な視点であるものと考えられ、本研究をもとにし
た今後の発展性が大いに期待されるところである。あわせて、学生会員として単著で投稿し、掲載されたことに対しても高く評価できる。 以上のような理由から、同氏が今後の学術の進歩に寄与するものと判断し、本委員会は、平成14年度沿岸域学会・学会賞・論文奨励賞として決定する。 |
出版・文化賞 | 中村茂樹・畔柳昭雄・石田卓矢 「アジアの水辺空間−くらし・集落・住居・文化−」(鹿島出版会・1999年11月) |
本書は、日本、東南アジア、南太平洋の沿岸域の漁村等における現地調査をもとに、生活様式や住居等を通して、水辺環境に立脚した暮らしの様相について言
及したものである。とりわけ、その発展過程や形態を水上から陸上へという解釈のもとに、沿岸域が有する自然と生活の豊かさについて様々な側面を通して考察
しており、沿岸域の重要性を再認識させるものである。また、このような視点からの検討は、今後の沿岸域研究の発展にあたっての示唆をも含むものとして評価
できる。加えて、一般市民への沿岸域の重要性の理解や認識の向上にあたっても、その影響は大きいものと想定される。 以上のような理由から、本委員会は、本書を平成14年度沿岸域学会・学会賞・出版・文化賞として決定する。 |