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学会賞  

平成16年度


学会賞

論文賞 澤樹 征司・畔柳 昭雄
「コモンズを基軸とした人と自然とのかかわりに関する研究」‐小笠原南島における自然資源の持続的な管理に向けた取り組み−(論文集No.16掲載)
 本論文は、自然資源の共同管理制度をコモンズと定義し、小笠原諸島南島において取り組まれている自然資源の持続可能な管理のためのルールに着目し、コモ ンズ論の視点からその項目、運用面などの分析を試みたものである。論理構成が明確である上、具体的事例から沿岸域管理にとって極めて有用な結論を導いてお り、本学会の研究成果として論文賞授与に相当すると判定した。
論文奨励賞 該当なし
出版・文化賞 神保哲生(ビデオジャーナリスト)
「ツバル−地球温暖化に沈む国−」(春秋社)
 本書は、「国土の水没」という国家存亡の危機に直面している国「ツバル」について、本国のみならずフィジー、トンガ、オーストラリア、ニュージーラン ド、および日本国内を取材し、その成果を旅行記風の平易な文体でまとめたものである。その文章はごく普通に生活する一般の市民に対して地球温暖化の重要性 が十分に伝わる内容であり、地球温暖化防止の啓発書として非常に価値が高い。また、ツバル水没の原因が地球温暖化による最高潮位の上昇によるものであるこ とを緻密かつ独自の取材から明らかにしようとしており、その分析内容は学術的にも参考に値する。
出版・文化賞 団体名:クリーンアップ全国事務局(JEAN)
代表者:小島あずさ
 クリーンアップ全国事務局(会員約700名)は、1991年の設立から現在に至るまで、継続して海岸ごみ問題に取り組んでいる。その活動は、全国の海岸 を対象にし、多数の一般参加者や企業等の参加を得たことで、海岸ごみ問題に対する社会全体の関心を高めた。そして、ただ単純な海岸ごみ清掃の呼びかけでは なく、結果を世界共通の方式に基づき整理し、それを蓄積して公開することで、参加者と共に「考える」クリーンアップを進めている点が特徴である。また、海 洋汚染やごみの発生源等の問題に言及し、ごみを出さないための普及啓発活動も実施している。2002年からは、韓国の関係者との協働も開始しており、より よい沿岸域環境の実現に向け、ますます活発に活動を展開している団体である。


日本沿岸域学会事務局

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