平成29年度 学会賞
論文賞 | 該当なし |
出版・文化賞 | 出版物:「海辺に学ぶ ―環境教育とソーシャル・ラーニング―」 (一般財団法人 東京大学出版会,2017年3月10日発行) 著者:川辺 みどり |
本書は、海辺、沿岸域をめぐる管理の課題を整理し、その課題解決のためのソーシャル・ラーニングの技法を体系的に提示した最新の書である。構成は二部に大きく分けることができ、前半(第1章から第3章)では沿岸域の開発経緯と現在の状況、持続的利用のための沿岸域管理の必要性と課題について提示し、後半(第4章から第9章)では沿岸域をめぐる学び合い、ソーシャル・ラーニングの技法を実践的な事例を踏まえながら体系的に紹介している。 沿岸域管理は特に沿岸域の総合的管理の必要性が謳われる海洋基本計画が公表されてから、「沿岸域に関する課題を総合的に考究し、もって学術・文化・社会の進展に寄与することを目的」(日本沿岸域学会会則第3条)とする本学会においても極めて重要な課題となっており、本書は出版・文化賞にふさわしい書籍であると評価した。 |
|
出版・文化賞 | 出版物:「里海と沿岸域管理 ―里海をマネジメントする―」 (一般財団法人 農林統計協会,2016年3月24日発行) 著 者:日高 健 |
本書は、沿岸域を里海として利用し管理するためには、どのような仕組が必要であるかという問題意識のもとで、沿岸域をめぐる利用の現状の特徴を統計的・制度的に明らかにし、さらに沿岸域総合管理やコモンズに関する理論的な背景を整理した上で、地域レベル(漁業主体、地域住民主体)と都道府県レベルでの取組事例をケーススタディし、ネットワーク組織を核とした都道府県と地域による二段階の沿岸域管理の仕組みが有効であることを実証的に明らかにした学術書としての完成度も高い書である。 沿岸域管理は特に沿岸域の総合的管理の必要性が謳われる海洋基本計画が公表されてから、「沿岸域に関する課題を総合的に考究し、もって学術・文化・社会の進展に寄与することを目的」(日本沿岸域学会会則第3条)とする本学会においても極めて重要な課題となっており、本書は出版・文化賞にふさわしい書籍であると評価した。 |
功労賞 | 川西 利昌(前副会長) |
JAMSTEC 中西賞 |
該当なし |
研究討論会 優秀講演賞 |
石橋榮稔(日本大学大学院) 「港湾における海域津波ハザードマップの開発に関する研究」 倉原義之介(東亜建設工業株式会社) 「干潟底生生物調査における調査地点の設定に関する考察」 鈴木洋之(早稲田大学大学院) 「北海道北方における氷の挙動に関する研究」 橋本宗侍(日本大学大学院) 「真間川河口前面海域における放射性セシウムの堆積分布について」 古山卓司(国土技術政策総合研究所) 「アジア.北米間のコンテナ貨物流動に関するトランシップ港湾選択モデルの構築」 松重摩耶(徳島大学大学院) 「大学生を対象とした自然体験学習に関する考察 -「きょうどう」的な学びに着目して-」 |